おはようございます!こんにちは!こんばんは!
いつもお世話になっております。
岐阜県 揖斐郡大野町 で司法書士・行政書士しております、こんちゃんこと近藤です(^^)/
少し寒さも落ち着いて、暖かい日がちらほらと・・・と言ってもまだまだ寒いですよね。
お身体にはくれぐれもご自愛ください。
相続登記の義務化が来年に迫っている今日この頃・・・今回は推定死亡日と相続登記についてお話します。
具体的なお話の前に、戸籍に死亡の事実が反映される流れをお話します。
戸籍謄本に死亡の事実が反映される流れ
ある方がお亡くなりになると、死亡診断書や死体検案書が医師の手によって作成されます。
その死亡診断書や死体検案書を元に、死亡届に記入をして役所に届け出ます。(葬儀会社さんが代行されることもあるようです。)
続いて、役所は死亡届を受理すると、本籍地にある役所へ死亡の事実を通知し、通知を受けた役所はお亡くなりになった方を戸籍から除籍する事務手続きを行います。
(本籍地と届け出た役所が同じ市町村である場合は、そんまま除籍の手続きをします。)
届出を受理または通知を受けてから1週間程度で戸籍に死亡の事実が反映されます。
以上が戸籍謄本に死亡の事実が反映される流れです。
孤独死などは推定死亡日が記載
死亡の事実が反映されると除籍謄本または亡くなられた方が除籍された現戸籍を取得できるようになります。一般的な相続の場合は、戸籍に【死亡日】令和〇〇年〇月〇〇日とハッキリとした日にちが記載されます。
しかし、亡くなられた日がハッキリと判断できない孤独死などのケースでは、死亡日が正確には分からない場合があります。そんな時、戸籍にはどのように反映されるかと言うと・・・・
【推定死亡日の記載例】 ■推定令和〇年〇月〇日 ■推定令和〇〇年〇〇月〇日から〇〇日までの間 ■令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇〇日 ■令和〇年〇月〇日頃 死亡 etc |
これ等の記載方法は、実際に確認できたものなので、他にも似たような記載方法で記載されている戸籍もご覧になったことがあるかもしれません。多くの場合、独居の方がご自宅で孤独死されてしまった場合に、例に上がった記載がされるケースがほとんどです。
では、なぜ推定死亡日が記載されるのかです。
推定死亡日が記載される理由
一番の理由は、先ほども少し触れましたが、死亡日がハッキリと確定できないからです。
病院でお亡くなりになられても、ご自宅でご家族に看取られても、亡くなられてから日にち、時間を置かずに医師が死亡の確認するので死亡日はハッキリとします。
事件や事故でも検死が行われて、一部例外はあれども、死亡日はハッキリと判明します。
では、どのケースで推定死亡日が記載されるのか
それは、やはり・・・
推定死亡日は孤独死の場合がほとんどです。
孤独死の場合、どうしても亡くなられてから発見がされるまで数日、数週間と日にちが経ってしまいます。時間の経過とともに、ハッキリとした死亡日は特定しにくくなっていきます。
つまり、亡くなられた日・時間を特定できないということは、死亡日を推定するしかないということです。
死亡日を推定するしかないとなると、当然、戸籍に死亡の事実を反映する際に【死亡日】を推定の文言を付けて「推定令和〇年〇月〇日」と記載するもしくは「令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇〇日」などの記載例に上がったような記載になるのです。
登記簿には推定死亡日が反映される
さて、ここで重要なのはいざ、推定死亡日が記載された戸籍を用いて相続登記を申請するときに、どうなるの??と言うことです。
登記申請において、登記原因および日付は、登記原因証明情報の記載から判断されます。
つまり、相続登記では戸籍謄本(除籍謄本)に記載された死亡日をもって、「令和〇年〇月〇日相続」と申請することになります。
例えば、司法太郎さんに「令和4年9月30日」に相続が発生(戸籍の死亡日も令和4年9月30日)し、その相続登記を令和5年2月13日に申請したとします。
その申請が、実際に登記されると・・・
2 | 所有権移転 | 令和5年2月13日受付 第12345号 |
原因 令和4年9月30日相続 所有者 揖斐郡大野町富秋1314番地 司 法 太 郎 |
以上のように登記簿に反映されます。
では、孤独死の場合に、戸籍に例えば「【死亡日】推定令和4年9月30日」と記載されていた場合はどうでしょう。以下のようになります。
2 | 所有権移転 | 令和5年2月13日受付12345号 |
原因 推定令和4年9月30日 所有者 揖斐郡大野町富秋1314番地 司 法 太 郎 |
戸籍の記載を正確に反映して登記申請を行いますので、登記事項も同様に、推定の文言が登記簿に反映されます。
登記事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも法務局またはインターネットを使って簡単に取得することができます。
実際に、この登記事項証明書を初めてご覧になった時に誰しもが「推定??何故だろう?」と少なからず疑問を抱き、今やインターネットが身近に普及していますから簡単に調べて、通常とは異なる事情があったのではないかと予想できますし、「孤独死なのかな?」と御察しがつくかもしれません。
登記簿の記載の影響
孤独死は、残念ながら不動産取引においては価格へのマイナスは避けられません。購入希望者、賃貸での入居希望者からすれば、購入や入居を躊躇しますし、売主や貸主にとっても価格を下げるしかありません。
当然、孤独死などの事実は心理的瑕疵として告知義務も発生してくるでしょうし、仮に隠しても登記事項証明書で確認すれば当然にその事実は露見します。
戸籍の記載は、基本的には変わることはありません。登記も基本的にはその記載内容が変更されることはありません。
何年、何十年時を経過しても、記載された事実は残り続けます。空き家問題や所有者不明土地が増加している状況で、推定死亡日は足枷にしかなりませんね。
最後に実際に司法書士近藤が受任した案件を元に余談をお話します。
推定死亡日はどうにもできないのか??です。
以前、受けた案件も、今回ご紹介したように孤独死の事案でした。
最初、相談に来られた方は亡くなられた方の義理のご兄弟でした。しかし、戸籍を順番に追っていくと亡くなられた方にはほぼ生き別れに近いお子さんがいらっしゃいました。
当然、孤独死されたとのことだったので、戸籍の【死亡日】には「推定」の文言が入っていました。
戸籍を収集し終えると、やはり相続人はお子さんただ一人です。面談を繰り返すうちに、家族とも相談したが住むことは考えられないとのことでしたので、売却に向けた手続きをしていくことになりました。(後日、手入れをして住むことにしたとのことです・・・)
さて、ここまでご覧になった方ならお分かりですよね??
そうです!!「推定」の文言がやっかいです。先程もお話ししたように一度登記がされると「推定」の文言は簡単には変更できません。
そこで、近藤は考えます。本当に、推定は省略できないのかと・・・・もちろん登記申請の原則、決まりは承知しています。
でも、未来永劫にその「推定」の文言を残してよいものかと・・・
そこで近藤は、頑張ります!!少しでも、お客様の安心と笑顔のために!!!
手持ちの書籍や先輩司法書士、司法書士さんが書いた記事などを頼りに調べていきますと、一つの書籍にたどり着きました。
「不動産・商業・法人 登記実務事例集」(2018)発行者 和田裕 監修者 山中正登 渡邊敬冶 (敬称略)
この書籍は、法務局の登記官さんが執筆に携わっており、私見を書いたものではありますが、望みはあるのではないかと・・・
しかも・・・
今回と同じく「推定」の文言についても記載があり、条件付ではあるものの省略の可能性が示されているではありませんか。
しかし、法規や先例、登記研究にないことですので早速、不動産の管轄法務局へ相談票をFAX!!
果たして結果は・・・・・
結果は、残念ながら「推定」を省略することは相当ではないと・・・戸籍の記載を正確に反映して欲しい。
〇〇法務局管轄では、相談票記載の条件を満たしていれば、省略可能と判断しているものがあると粘りましたが、覆らず・・・お客様にも必ず省略できるとは限りませんと事前にお断りはしておりましたので納得はいただけたので今回は、原則に従って登記申請を行い無事に登記完了、納品させて頂きました。
とは言え、今後の不動産取引のためにも、他の管轄では認められたりと、法務局によって異なる取り扱いではなく今後、先例や通達などで方針が示されてほしいものです。
ここで注意!!
あくまでも省略できる可能性でしかなく、現段階では法務局に事前相談は必須です、また相談しても省略できないこともありますのでご理解ください。
しかし、私はお客様のために努力は惜しみませんし、骨を折ります!!
相続登記の義務化が到来する前に、相続登記を綺麗に終わらせておくことは今後のことを含めて非常に重要です!!
相談は無料です!!
是非、お気軽にお問い合わせください!!どんなお悩みも全力で取り組ませて頂きます!